説明.
世界一の切れ味を誇る、岩崎の日本剃刀が復活した |
三条製作所 岩崎日本剃刀 半丁掛 |
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作者 |
日本鍛冶師未だ、解説がありません |
解 説 |
“剃刀のような切れ味”と喩えられる日本剃刀。近所のオヤジが「西洋剃刀(レザー)も切れるが、“肌へのアタリ”となると、日本剃刀にはかなわない」と云う。そういえば、小生のオヤジも日本剃刀を和砥石で研ぎながら、気持ちよさそうに髭をアタッていた。 今回は待望の刀匠・岩崎重義の日本剃刀。何故待望かと云うと、これが凄い。手元に資料が置いてあるのでご紹介。 鍛造作家のバイブル書にもなっているが、岩崎航介著、「刃物の見方」の中に岩崎日本剃刀の切れ味報告というのがある、「一研ぎで386人使った新潟県村上市の日出谷誠一氏。426人使った静岡県浜松市の小池忠男氏。抜群の人で、1032人の富山県福岡町の小畑健一氏(富山高等理容学校講師)などがあるが、大部分の人はこの数字を信用してくれない。そうした人には、本人に直接問い合わせて下さいと答えることにしている」とある。 1回研いだ後は、馬の尻っぺたで作られた、コードバンと云う革砥に、シャッシャッとこするだけ。凄いではないか。この、世界一の切れ味は、子息、刀匠・岩崎重義にも受継がれた。そして現在、重義翁の体調が思わしくない今、重義翁の兄弟子にあたる名工 水落良一師が岩崎製作所、岩崎日本剃刀として受け持っている。過日、鍛冶場をお訪ねしたがその腕は確か。親指と人差し指で空間に保持した髪の毛が何の抵抗もなくスパスパと切れるさまに驚嘆した。まさに、世界一と切れ味を誇る岩崎の日本剃刀がそこにあった。 |