オールドイバーソン パール１刀（1991年）

1700年創業のイバーソンは、ジョセフロジャースやジョージウェステンホルム（I*XL）に並ぶ、英国、シェフィールドの手工業ナイフメーカーの名門。活動期は、18世紀から19世紀にかけての英国の植民地時代の黄金期。その特徴は、少人数の卓越した熟練工集団によるナイフ製作。その歴史に類を見ない精微で高度な職人技は世界中のファンを魅了した。しかし、豪華に咲き誇った大輪の花も、20世紀に入り、アメリカの大量生産ファクトリーナイフの波に飲み込まれて散ってしまった。そんな中で、イバーソンは、手工業を止め、量産体制に移行。静かに生き残っている。
今回ご紹介のナイフは、シェフィールドの昔の良き時代の職人技が光る秀美の逸品。何か、現代のものとは一味違い、手の温もりを感じさせる。
本作は、1991年入荷した新品。この頃すでにこの手のナイフは生産を中止していたレアものだ。1991年当時の販売価格は25,000円だったので、お高いナイフだったと記憶する。2017年現在の欧米の市場価格は、該当するものがなく不祥。品薄だが唯一、1880年代ものでパールハンドルの４丁出しがUSEDで黒さびや研ぎ減りしたものがUS＄1500だったのでご参考まで。